MEMBER友の会

友の会

イベント報告

2014.02.17

[江戸の粋を楽しむ」で演奏と司会進行をされた山口崇さんとの交流会

[江戸の粋を楽しむ」で演奏と司会進行をされた山口崇さんとの交流会
日 時
2014/02/17(月)

ご報告

江戸情緒たっぷりの素晴らしいお舞台の感動に浸っている私たちの前に、山口崇氏さんは汗をふきふき、ひょうひょうと入っていらっしゃいました。
ウーム、将軍吉宗とは大分ちがうぞと思いながら・・・
でも山口さんって本当にお話がおもしろい方でした!
まるで落語の熊さん、ハつぁんのような語り口で、私達を大笑いさせながら、きさくに質問に答えて下さいました。

さすがにライフワークとしてお若い頃から、全国各地の民話を蒐集され、語り部を尋ねられて、自然に皆を楽しくひきつける話し方を身につけていらっしゃるのでしょうね。

長唄のような伝統芸能に関わられるきっかけは?という問いに
身体の中から自然に欲求するものなのです。
遺伝子の中に組み入れられていて、唱歌の古い歌詞に心動かされる。
七五調なんか良いですね。
何かに浸りたいと思った時は擬古典調がよい
長唄の歌詞も江戸時代にあって、江戸時代の現代語ではないのです。
伝統芸能は日本人の血なのです。

山口さんにとって、長唄に心ひかれるのは理屈ではなく、もっともっと身体の内部から湧き上がる情念のようなものなのでしょう。
一方で山口さんは長唄に対して”大きい素人でいようと思う”という言い方を
されていて、山口さんの長唄に対する立ち位置を明確にされていました。

多分、長唄人としてではなく少し距離を置いた対し方、俳優としての山口さんが長唄の名取でもあるという立場のほうが、伝統芸能を楽しく人々に伝え、伝統芸能のファンを一人でも多くふやす活動がされやすいのでしょうね。

長唄は歌舞伎に添ったものだが、歌舞伎の中では地位は低く、いくら長唄の人間国宝でも大部屋なんですよ!
人間国宝が真ん中に座り、その両側に長唄連中が座るんです。
長唄業界の知られざる現実もお話になりました。

古典芸能のファンを増やすにはどうしたらよいか?
面白くなかったら自分もやらない。
どうしたら面白くなるか、今日のお舞台のように分かりやすく解説をいれたり、メロディーの楽しい部分だけピックアップして歌ったりするのもよいでしょう。カルチャーセンターなんかも日常に日本の音曲を口ずさんで楽しむこと が気軽にできます。

さりげなく最後に、今日の長唄の立方を務められたご子息の杵屋巳津也さんのご紹介もされ、良いお父さんのお顔もちらっと見せて下さいました。巳津也さんは中村勘太郎、七之助舞踊公演、新春浅草歌舞伎の立唄をされたり、長唄界の若きホープでいらっしゃいます。今公演でも素晴らしく伸びやかな声が印象的でした。
ちなみにお嬢様の巳織さんは長唄の美しき三味線方、確かな技量もご披露されました。
奥様の巳貴さんは唄方で、皆さまおそろいで舞台を盛り上げていただきました。

江戸の粋をそのままに、山口崇氏さんはうまく話しをかわしながら、でも本筋ははずさず、楽しく粋にお話していただきました。
楽しいひと時を本当にありがとうございました。

お元気で又お目にかかれる日を楽しみに致しております。
感謝をこめて。
K.K

一覧へ戻る