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イベント報告

2016.01.28

友の会ぶらり旅2015 ~藤田舞台を訪ねて~

友の会ぶらり旅2015 ~藤田舞台を訪ねて~
日 時
2016/01/20(水)

ご報告

平成28年1月20日(水)  藤田舞台

能楽笛方 藤田六郎兵衛師(重要無形文化財(能楽)総合指定保持者。名古屋音楽大学声楽科卒。尾張徳川家に仕え、400年を超える伝統を誇る能楽笛方藤田流11世宗家)のご自宅、名古屋市西区の「藤田舞台」をお訪ねしました。

今冬、初めての積雪となった愛知ですが、70名余りのご参加を得て開催することができました。
藤田師が「雪だからこそ、みなさんの心に印象深く残る会になりますね。」と言われましたが、まさに心に残るすばらしい「ぶらり旅」だったと思います。

演目
独吟「駒之段」
一調「勧進帳」
一調一管「葛城」「獅子」
謡 :観世喜正師
笛 :藤田六郎兵衛師
小鼓:大倉源次郎師

雪が降ったことにより、「班女」を「葛城」に急遽変更して演じていただきました。素敵なご配慮に、参加者のみなさんも満足されたようです。観世喜正師と大倉源次郎師は、午後3時から東京でリハーサルがおありとのことで、午前で帰られましたが、藤田六郎兵衛師によるインタビューでお二人のお話をお聞きすることができ、貴重な一時となりました。
午後は、藤田流と京の近衛家、尾張徳川家とのかかわりについて藤田師からお話をいただき、また、近衛家から拝領した「瓦落(かわらおとし)」の刻印のある貴重な笛、それに添えられた寛永の三筆の近衛信尹公の真筆も拝見させていただきました。藤田流初代家元清兵衛師の叔父にあたられるのが、かの「沢庵和尚」だとお聞きし、清兵衛師に宛てられた和尚のお手紙を見せていただき、得難い一時を過ごさせていただきました。ご参加くださった皆様、ありがとうございました。(M・M)

【会員の声】
当代一流で、それぞれの伝統芸能の頂点に立つ方々の芸をすぐ目の前で堪能できたのはまたとない機会でした。役員の方々や皆さんのおかげです。ありがとうございました。
ところで、ずっと以前に名古屋で藤田さん、大倉さん、観世清和さんの3人で、古楽器の名器(徳川美術館所蔵の名笛・蝉折れ)で演奏する一調一管を聞いたことがあります。その時は皆さん若手で、特に大倉源次郎さんの水際だった美男子ぶりはみとれるほどでした。今も素敵ですがシブクなられましたね。つくづくと歳月の流れを痛感しました。
お正月のテレビで梅若玄祥さんのギリシャでの『冥府行~ネキア』公演は観られましたか?観世喜正さんのオデュッセウス役で素晴らしい舞台演出が素敵でした。その喜正さんの謡を間近で聴けて感激しました。(A・K)

早朝から積もった雪は、この特別な日を清める天の配剤であったか。大きな瓶に盛られた生花の心入れに迎えられた。
「駒之段」は、平家物語に題材を得た、能「小督」の一部分。平清盛の権勢を恐れて身を隠した小督の局を、高倉院は勅使(弾正少弼仲國)に行方を尋ねさせた。「駒之段」は、名月の日、小督の琴の音を求めてゆく馬上の仲國をイメージして味わう曲である。
予定されていた「班女」に替えて、雪の日に因んで「葛城」となった。羽黒山の山伏が大和の葛城山に峯入りして、降りしきる雪に難渋していると、女が現れて…実は葛城山の女神で、苦しんでいる理由を語る……という曲である。
「獅子」これはイメージとしては誰でも知っている中国故事に則る曲。小鼓の、橋をとんとんとたたくような音につられて併せるように笛が吹かれ、藤田師のお顔が上気して、目くるめく指使いと分節の利いた音色、大倉師の鼓が交じり合い、長年の名コンビの呼吸の妙を楽しむことができた。
昼食の後、藤田流の歴史をお聞きした。藤田流家元に受け継がれる「瓦落」の笛は、代々受け継がれながらも、あまり使われることはなかったらしいとのこと。今回その笛を目覚めさせて吹いていただくというサプライズがあった。普段、能舞台では演奏されない稀曲、「豊後下り端」と聞こえた。
素晴らしい演奏。美術館ならガラスの向こうにあるような美術品を直接拝見し、また、名笛の音を聴くことが出来、お料理も美味しく、まさに眼福、耳福、心が豊かに潤った得難い一日であった。(K・F)

その日、突然の雪景色。皆様ご無事に参加されるだろうかと心配しながら藤田舞台へと向かったのでしたが、一歩お舞台へと足を踏み入れた途端、そこはまさに異次元の世界!
シンプルでモダンな美しさの藤田舞台では息をのむような気迫の世界!
合間の藤田さんの軽妙な語り口で400年にわたる藤田家の歴史にまつわるお話を伺い、尾張徳川家の初代義直公以来、この地にお住まいになり、能管師としてお能を受け継いでいらっしゃる、その重みに感銘いたしました。伝統を守るということは、常に革新も必要とのお言葉に深く感動いたしました。
また、演目も、新春の雪景色に合わせて、白く輝く雪の中、神話の情景を謡う「葛城」に変更されたことにも心意気を感じました。
奥様の心温まるおもてなし、伝来の藤田家の秘宝を拝見できたことも感激ひとしおの一日でした。(K・K)

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