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イベント報告

2015.09.11

オペラ「魔笛」勉強会

オペラ「魔笛」勉強会
日 時
2015/09/09(水)

ご報告

「魔笛」はモーツァルトオペラの中でも一番人気の故か、この勉強会も受付開始から希望者が殺到し嬉しい悲鳴。募集人数を拡大して、能楽堂に移して行いました。

講師はオペラ勉強会初登場の中村貴志さん。
テノール歌手でありながら、数々の楽団を率いての指揮活動、作曲、編曲者としてマルチに活躍中。ばりばりの西洋志向かと思いきや、能楽堂には和服姿で登場。一見、今をときめくピース又吉にそっくりな風貌と愛嬌の良さで、一目でハートを掴まれました。

勉強会では、「魔笛」の成り立ち、登場人物、見どころ聴きどころ等を、楽しいエピソードを交えながら、そしてバイエルン国立歌劇場の映像をみながらの臨場感あふれる内容となりました。

「魔笛」は1791年、モーツァルト最晩年の傑作オペラで、台本は当時の旅回り一座のオーナーで俳優、歌手でもあるシカネーダが書きました。
シカネーダ一座はアッと驚く仕掛けで人気の大衆向一座であったので、様式もジングシュピールと言って、音楽と台詞からなり、親しみやすく、大衆演劇的要素たっぷりのオペラです。

初演はモーツァルト指揮、シカネーダのパパゲーノ、夜の女王はモーツァルトの義理の姉が歌い、大成功をおさめました。
私も観てみたかったわ!
1年に100回も演奏されたんですって!すごい人気!
200年以上たっても、人気は衰えず、しかも新鮮なのがすごい!

その理由は?
恋愛劇あり、魔術あり、スペクタクルあり、ファンタジーありと、あらゆる要素
満載で、当代一の人気一座の座長と天才作曲家モーツァルトが織りなす魔笛が
こどもから大人まで楽しめるオペラであるのは間違いないですよね。

それに劇中でのアリアが素晴らしい!
道化的キャラクターのパパゲーノが歌う「私は鳥刺し」は、誰でも聴いたことのある楽しいメロディー。
夜の女王の2つのアリアはコロラトゥーラソプラノの超絶技巧で舌を巻く。
王子タミーノの「なんて美しい絵姿」は主役テノールのうっとりするような抒情的な声。
神官ザラストロのアリア「この聖なる殿堂は」ではバスの魅力を味わって下さいね。
パパゲーノとパパゲーナの「パ・パ・パの二重奏」は何とも楽しい曲です。
他にも素晴らしいアリアが続々で、これこそオペラの醍醐味ですね。

では次に視点を変えて歴史好きの視点から魔笛を見てみましょう。
魔笛が作曲された時代はフランス革命進行中で、時代が急速に変わっていく激動期。旧体制と新体制が入れ替わり、今まで良しとされていた事が悪となってしまう。そんな革命期の価値観の変化が、夜の女王と神官ザラストロの善と悪が1幕と2幕でころっと変わったりする奇想天外のストーリーに反映されているのかも。

もう一つ、モーツァルトとシカネーダは秘密結社フリーメイソンのメンバーで、劇中にその習わしや儀式がちりばめられていて、そちらを探るのもおもしろいかもしれません。

夜の女王の衣装も楽しみだし、どんな演出でくるのだろうとか、「魔笛」の楽しみは限りなく、お好きな視点から存分にお楽しみいただけたらと思います。

いえいえ、お勉強会の締めくくりに中村先生がおっしゃったことは
素直に見て楽しんでください! でした。

皆様、10月10日15時からの本公演をお楽しみに!

(K.K)

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